首都機能移転の議論は度々行われてきた。1990年代には政府も国会も真剣に議論を行ってきた。北東地域や東海地域、そして三重畿央地域など、場所の選定も具体的に議論されてきた。総事業14兆円などと試算されたりもした。しかし結局、東京都の反対によって議論は雲散霧消してしまった。日本では大きな変革を好まない風潮がある。これでは駄目なのだ。
いずれ首都直下型地震や東南海大地震、南海トラフ地震が東京を襲い、首都機能は一定期間にわたり正常に機能しなくなる事は明白である。大地震が来る前に首都の機能を分散しておくべきである。そういうことで政府も国会も議論をしてきたわけだから、皆分かっている事なのである。分かっていてやらないという場合に、壊滅的な被害を被る地震をはじめとした大災害が起きた時の政治的、行政的な責任の所在は明白である。ここをどう考えるのか。
私は、今後の国のあり方として早急に首都の機能を分散するべきだと主張をする。本当に大切なことである。今こそ国民の生命と財産を守るために決断するべきだ。本当は首都機能の移転先については、一か所に絞り込みまとめて移転するのが予算面だったり利便性の点で最善なのであろうが、1990年代の議論を振り返る時に一か所に絞り込めなかった。利益誘導合戦で決められなかったのだ。従って、私は分散という手法で速やかな事業の展開を図るべきだと考える。
これらの政策において数十兆円の事業が行われ、それに関係する民間の事業も膨大に行われるだろう。一時的に民間の企業や団体の設備投資は経営を圧迫するだろうが、経済は循環である。利潤も循環していずれ経営が圧迫された企業・団体も利益が蓄積されていくだろう。そのような設備投資が出来ない企業については残念ながら旧来の経営を続けるということになる。首都の機能を全国の要所に分散するということについては災害という切り口で論じてきたが、停滞を起こしている経済にショックを与えてResetするということがもう一つの目的である。The GREAT RESET of JAPANの中の1つなのだ。政府と国会は真剣に考えて勇断をふるうべきである。