私はずっと街おこしをやってきました。街おこしという言葉は今から40年くらい前に使われるようになったのかな、と思っています。具体的に言いますと、1979年に平松守彦さんが大分県の知事になられて一村一品運動を提唱されました。それから、1980年代中頃に地域間競争の考え方が広まり、各地で街おこしが盛んになり、お互いが競い合って地域を盛り立てていくようになります。
これは、1988年に竹下登首相の時代にふるさと創生事業として各自治体にひも付きなしの1億円を交付して完全に日本という国に定着しました。バブル期にはふるさと創生の発想のもとに地方拠点都市構想や、首都機能移転など、中央集権ではない地方の時代ということで、いろいろな政策が国主導のもとスタートしましたが、バブルの崩壊の影響で頓挫してきました。あのバブルの崩壊というものがなかったら、そして暗黒の20年というものがなかったら日本は別の道をあゆんでいたに違いありません。ただ、そういう歴史の中にあっても街おこしは脈々と日本の各地で盛大に行われ、人々の癒しとなったり生きがいとなってきました。
私は、街おこしの本を書こうと思い、構想はあるのですが、時間が取れずに書けないでいます。街おこしという発想のない地域はまだまだ沢山あります。そういう地域の皆さんのヒントになればと思い情報を発信したいのです。
取り合えず、街おこし学の概要としてコンセプトはまとめてありますのでご紹介致します。街おこしをこれから実践しようとしている皆さんの参考になればと思っております。
街おこし学の概要
街おこしの要諦
前提となる条件(これが一番大切なこと)
(1) 皆が地域を愛していること。
(2) 皆が地域を良くしようと熱望していること。
(3) 熱い心を持つリーダー的存在になれる人材がいればなおいい。
(4) 活動の内容に予算が必要な場合、その予算が確保できること。
街おこしの立ち上げ方法
(1)秘訣 「誰もやらないような事を楽しくやること。」
・楽しいことをやれ。「本当に苦しいこと」はやるな(でも苦しいふりはOK)。
・遊びの心をいつも胸におけ。何をやっている時でも、常に面白そうなことを考えろ。
・誰も考えつかないことを思いつけ。
(2)「考えるヒント」
・地域の食べ物。
・地域の行事、祭り。
・地域の習慣。
・地域の人々。
・地域の歴史上の人物。
・地域の地形。
・地域の街並み。
・他の地域との何らかの連携。
・地域の新たな目玉となる物の創造。
・新たなイベント、お祭りの実施。
(3)「考えるヒント」の複数のコーディネートも大切。
(4)情報の強力な発信をプロデュース。
・まず、見てみたい、行ってみたい、参加してみたい、食べてみたい、と思わせる企画力が決め手。
・マスメディアを上手に利用した情報の発信力。
・既存の組織を上手に使った情報の発信力。行政、経済団体、民間の各種団体等。
伊藤弘明